こんにちは。
秋田のファイナンシャルプランナー、土田です。
最近の為替相場は異常ともいえる円安から一気に円高へ触れており、FXをやっている方々からすれば歓喜か悲鳴かといった相場ですね。
そういった投機的な取引をしていない一般層の方でも、この為替相場と米国の高金利、そして日本でも本格化してきたインフレで資産運用を考える方が増えたと思います。
保険会社なんかも、今までは米国の金利も低く、ドル建て保険も低調だったのが、金利上昇で商品力が向上したこともあり、販売も好調で、FPや保険屋さんを講師にしたセミナーもかなり開催されているようです。
こういったセミナーに参加された方からの相談もあり、今日は少しこの件に触れたいと思います。
まず、保険会社や証券会社が表立って開催しているセミナーは勿論ですが、FP事務所や雑誌・フリーペーパー、金融系のポータルサイトなどが主催しているようなものも、こういったセミナーで参加無料のものは、当然ですが、セールスだと思って下さい。
そもそも、参加無料であっても、運営側は会場代、お茶お菓子代、広告宣伝費、さらにはお土産代など多大な経費を支払っています。これを回収できると踏んでいるから開催されています。
その為、セミナー資料を拝見しましたが、売りたい商品への誘導がされており、情報も一面的でツッコミどころ満載でした…。例えば、米国ドル建て保険などの説明では、インフレ対策になると説明されていますが、米国でのインフレ率には触れられていません。また、為替に関しても、暗にこれから益々円安になると想像できるような作りになっていました。勿論断定的に書かれていませんが、少なくとも実際参加され相談にいらした方はそう感じたようです。
この様に、こういったセミナーでは「セルサイド(売り手側)」の情報になるので、中立な情報提供ではなく、実際には商談に近いものになります。また、無料にも関わらずお土産などを渡すことで、心理学的にも断り難い状況にして商品を販売する手法を取っています。※返報性の法則といいます。
ですから、こういったセミナーに参加する場合は、商品の販売が目的と分かった上でご参加下さい。商品の販売が目的と分かっていれば、お菓子やお土産も「話を聞いてあげたのだから貰って当然」と思えますよね!
では、実際に米国ドル建ての保険商品は資産運用としてどうなのか?ですが、これはその方のライフプランや考え方によるというのが私の見解です。決して万人向けではありません。
また、米国金利が高いとはいえ、保険商品以外にもそういった高金利商品はあります。米国ドル建て債券の方が金利は高いものもある訳ですし、保険を活用するメリットがあるかないかという事になります。
但し、どんな人でも確実に言えるのは過度に保険で運用してはいけません。運用はリスク分散が基本です。実際に相談に来られた方は資産の半分以上を米国ドル建ての保険にしないかと保険屋さんに提案されていました(汗)こうなると為替ギャンブルになってしまいますね。
外貨建て保険で運用する場合の代表的なリスクとして
・為替リスク(円高に振れたら円に替えると目減りする)
・インフレリスク(アメリカのインフレ率は2022年10月の前年同月比が7.7%!)※そもそもお金の価値は下落しているので10年後の1ドルの価値を同じに見てはいけません。
に加えて、
・流動性リスク(短期で解約すると元本割れの可能性が高い)
があり、状況が変わった際に対応が難しくなります。
そういったことも踏まえて、高金利の固定金利商品、通貨分散できる、保険の機能が必要かどうか?なども判断に加えて上手に活用して下さい。
セミナーに参加して提案もされたけどどうしよう?という方や、自分にはどんな運用が合っているのか知りたいという方は、ぜひご相談下さい。
当事務所の相談は初回無料です。(お菓子もお土産もありませんが(笑))
今日もありがとうございました。