こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
昨日、日銀の金融政策決定会合後に黒田日銀総裁が記者会見を行いました。
急激な円安が続き、資源高もあって日本経済の先行きが不安視されていますが、黒田総裁によると「全体として円安はプラス」という判断で、金融緩和も継続するようです。
日経新聞2022年4月28日Web版 「円安阻止より金利抑制 日銀、長期緩和抜けられず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB28A5V0Y2A420C2000000/
以下引用
日銀の黒田東彦総裁は28日の金融政策決定会合後の記者会見で「全体として円安はプラス」と強調した。円安阻止よりも金利抑制による景気下支えを優先する姿勢を改めて鮮明にした。ただ、輸入価格を押し上げる円安は企業による値上げを通じて国民負担を増大させる。日本の産業構造が変化するなか、企業の利益を押し上げる効果も低下している。
日銀が28日公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、2022年度の実質成長率見通しを従来の3.8%から2.9%に引き下げた。利上げに動く米国は足元の国内総生産(GDP)がコロナ前水準を上回るのに対し、日本はコロナ前と比べると低い水準にある。黒田総裁は記者会見で「金融緩和の出口を早急に探ることにはなっていない」と話した。
米国が利上げに動くのは、物価上昇率が約40年ぶりの高水準となっているためだ。日本も資源高などの影響で22年度に「いったん2%程度」(黒田総裁)まで高まるとみているが、23年度は1.1%程度まで再び落ち込むと分析している。日銀が目標とする2%の物価上昇率の実現には距離がある。
円安について黒田総裁は「過度な変動はマイナスに作用する」と認め、相場の行方を「十分に注視する」と述べた。円安が多くの国民にとって負担になっているとの認識は政府内でも根強く、「悪い円安」(鈴木俊一財務相)への懸念に配慮をみせたようにもみえる。
そのうえで「全体として円安がプラス」との認識も繰り返した。円安が進めば、輸出型の大企業が潤い、家計にしわ寄せが及ぶという面がある。こうした悪影響を軽減するのは本来、財政政策の役割だ。政府は26日の関係閣僚会議で物価上昇への対策を決めた。石油元売りへの補助金拡充や生活困窮者への現金給付が柱となる。
引用終わり
記事の通り、昔と比較しても、日本の輸出企業であっても、海外に拠点を置くようになり、構造的に円安での恩恵も限定的になっています。
そして、日本国内で円安は物価高に繋がるので、給料も上がらないのに(寧ろコロナ禍で減少している方も多い)物価は上がるという「スタグフレーション」状態になり、景気に悪影響を与えてしまう事になります。
一見するとデメリットが目立つ円安ですが、黒田総裁の目には「全体で見ればプラス」と映っています。
しかし、日本商工会議所は28日中小企業を対象にした調査結果として、「円安をメリットの方が大きい」と回答した企業が1.2%、「デメリットが大きい」が53.3%と発表しています。一部の輸出大企業はメリットを感じられるでしょうが、黒田総裁の言う「全体」とはどこなのでしょうか?※確かに海外からみれば日本が安くなっているので、不動産や企業を買収するにはいい機会ですが、そこも含めて全体なのでしょうか…。
今回の円安の原因として、資源高による貿易収支の悪化があり、そこにアメリカの利上げによる投資・投機的な取引増が加わっているため、是正をするにも容易ではありません。そのため、円安トレンドは何もしなければ更に進むかもしれず、また、長期化する可能性もあります。※投機的な動きが逆に動く可能性もあるとはいえ…。
私たちの生活においては、繰り返しになりますが、物価高による生活コスト増加と収入増は不景気で難しいという状況を生みやすいため、益々厳しくなっていくかも知れません。
政治にも期待ができない状況である以上、自分でできることはしておく必要があります。
※岸田政権の物価上昇対策は石油元売りへの補助金拡充と生活困窮者への現金給付でした…
自分でできることとして、生活コストの見直しがありますが、今だけではなく将来も見据えて行う必要があります。特に将来の必要資金はインフレも考慮しないといけません。また、住宅ローンを固定金利から変動金利に変えて支払額を下げようとしている方が増えているようですが、これも安易に考えては危険です。目先だけを考えるのではなく、今も将来も考えることが安心に繋がります。
今も将来も考えて、全体として安心できる方法が「ライフプラン」の作成です。
自分でやってみようという方はこちらもご参考下さい。
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今日もありがとうございました。