こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
秋田市では寒さも少し和らいだと思ったらまた暴風雪。
寒さ厳しく春が待ち遠しいですね。
さて、季節的な「厳しさ」は季節が変われば解決されますが、こちらの厳しさは時間とともに増すばかりの様です。
日経新聞2022/1/10朝刊 「年金局長が語った「厳しい未来」」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA061OV0W2A100C2000000/
以下引用
11月は「いい○○の日」といった記念日が多い。その一つに「いい未来」という語呂合わせから生まれた11月30日の「年金の日」がある。2021年のこの日、厚生労働省年金局の高橋俊之局長がシンポジウムで語ったのは公的年金の「厳しい未来」だった。
公的年金は5年ごとの財政検証で、将来の人口推計などから給付水準(所得代替率)を試算する。次回は2年後の24年。高橋氏は「(やや楽観的な経済前提を置く)ケース3でも所得代替率が50%を割るおそれが大きい」との見通しを明らかにした。新型コロナウイルス禍で出生率が低下し、年金財政の支え手がさらに先細ると見込まれているためだ。
19年度の所得代替率は61.7%だった。前回の財政検証ではケース3で47年度に50.8%とはじいた。20年の制度改正によって46年度は51%を維持できるとも試算していた。
所得代替率が50%を割り込む意味は重い。公的年金は将来にわたり、この水準を上回ることを国民に約束しているからだ。これまでの財政検証で、50%割れは悲観的なシナリオの試算に限られていた。標準的なケースで下回ることはなかった。
引用終わり
記事の通り、公的年金について「やや楽観的な経済前提」でも所得代替率50%を割るおそれが大きいと高橋年金局長が語りました。
この所得代替率は2046年度の年金を指しており、2004年の年金改革(100年安心年金と喧伝されていたものです)では所得代替率50%を2046年以降も維持できるというものです。※所得代替率とはザックリ言えば現役世代の所得を100として何%年金が出るかを言います。
現在は所得代替率60%超なので、基本的には減少していく予定ですが、その道筋も先送りされ曖昧であり、以前の日経新聞記事では2050年くらいには所得代替率30%台にというものもありました。
とはいえ、表向きには「所得代替率50%は大丈夫」と言っていたのに、遂に「厳しい」という言葉に変わってしまいましたね…。
記事ではコロナのせいで出生率が…となっていますが、そもそも少子高齢化で受給者と負担者のバランスが悪い上に経済成長せず給料も上がらずですから、常識的に考えて維持は厳しいものでした。
それでも今まで「大丈夫」と言ってきたのは、楽観的で現実離れした経済予測を前提に計算していたためで、今回はそれでも「厳しい」となり遂に馬脚を露したという結果でしょう。
※因みに財政検証ケース3では全要素生産性が0.9%上昇ですが、2019年実績では0.4%(内閣府試算、日銀試算では0.1%)であり「やや楽観的」といえるものでもないようです。
また、厚生年金や健康保険料の値上げや消費増税は、企業に取っても大きな負担であり、社員を雇うよりも外注に出した方が利益を上げられる構造問題もあります。特に若年層の雇用が不安定になると将来の年金負担者が更に弱くなりますので構造的な改革も急務でしょう。
とはいえ、公的年金改革は実行が非常に難しい(選挙に行くのは高齢者なので年金を下げる政策は政治家にとってリスクが大きいこともあります)ので、それに期待するよりも、しっかりと資産形成しておくことが有効です。
残念ながら、悪い予想がコロナもあって前倒しで現実味を増しています。
まだまだ老後は先と思わずに、老後がまだ先だからこそ「時間を味方に」して安心できる状態を創りましょう!
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今日もありがとうございました。