こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。
昨日は安倍首相が辞意を表明しました。
日経新聞8/28 Web版「アベノミクス未完 財政・金融、危機モード継続」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63200260Y0A820C2EA1000/
以下引用
安倍晋三首相が辞意を表明し、約7年半続いたアベノミクスは区切りを迎えた。新型コロナウイルスの感染は収束が見えず、経済政策は危機モードのまま財政支出や金融緩和頼みの構図が続きそうだ。安倍首相の政策は5年11カ月に及ぶ景気回復と株価の上昇を支えたが、構造改革による成長力の引き上げを重い宿題として残した。
午後2時すぎ、首相の辞意が伝わると財務省で国会対応を担う文書課の職員は総立ちになった。「どうなるか分からない。固唾をのんで見守るしかない」。幹部は厳しい表情をみせた。2021年度本予算の編成の概算要求を9月末に締め切る日程は変えないが、閣僚や与党幹部の人事による影響を読み切れない。
引用終わり
首相のやりたい事がどの程度できたのかな?と疑問符を付けてしまう7年半だったと思います。
アベノミクスでも、3本の矢の内実行できたのは1本目の金融緩和だけであり、財政出動も成長戦略も全くと言って良いほどできませんでしたし、折角景気が回復してきたときに消費増税を行い(これも首相の本意ではなかったと思います)景気が腰折れし、更に昨年も消費増税を行った結果、計5%もの消費増税をしコロナの前に大きく景気を冷やしてしまいました。
また、憲法改正や拉致問題解決なども結局進展せず、国会でも安全保障や経済といった大問題よりも「モリカケ」問題や「桜を見る会」問題など国会で審議するような問題ではない小さな疑惑に時間を使うというワイドショー化した状態になっていたことも首相にとっては悲劇だったでしょう。
しかし、結果として日本の問題の解決や将来に向けた改革も進まず、「失われた〇〇年」だけが増えて行ったと思います。
この記事の中には、結局、成長戦略もできず、社会保障改革も先延ばしにしてできなかった状況では、財政に頼らざるを得ないので今後益々基礎的財政収支(プライマリーバランス)の悪化を招き、最終的には国債の格下げなどを通じて経済に負の影響が出かねないとしています。
個人的には、プライマリーバランスの黒字化よりも経済成長を優先すべきと思っていますが、安倍首相の後任候補を見る限りは緊縮財政を継続しそうですね(汗)
1991年との比較で2019年の平均賃金を見ると主要国で日本だけが0.1%のマイナスです。
アメリカは約2.2倍、ドイツ約1.8倍、フランス約1.7倍など大きく増えているにも関わらずです。
更に物価上昇も見ると、アメリカは約1.8倍で賃金上昇が2.2倍‐物価上昇1.8倍なので0.4%程度暮らしが豊かになっているといえます。(給料が上がっても物価がそれ以上に上がっては買えるものが減りますから)
日本はというと、物価上昇は約0.8%の上昇なので約0.9%も暮らしが貧しくなっていると言える状況になっています(涙)
※下記グラフ参照
そしてこれが「失われた〇〇年」からもたらされた結果であり、政治が私たち国民に与えた現実です。※新型コロナでの対応しかり政治に無関心でいた国民にツケが回っているとも言えます(汗)
安倍首相はこういった状況理解していると思っていましたので(アベノミクス第二の矢まではしっかりと実行し消費増税がなければ…)、打破して欲しかったのですが、首相といえども様々な組織や反対勢力などの影響で思う様にはいかないのが現実の様です。
という事で、非常に残念な首相の辞任ですが、まずはご療養に専念して頂きたいと思います。
今日もありがとうございました。