変額保険で資産形成する注意点

こんにちは。

ファイナンシャルプランナーの土田です。

 

今日は資産運用を生命保険商品で行う際に注意すべき点についてお伝えしようと思います。

 

生命保険で資産形成をしている方が多いのですが、私の事務所に相談に来る方の多くがそうです。

 

最近では「外貨建て保険」が主流となっておりますが、保険の営業マンに聞くと最近売り辛くなってきたという話です。

というのも加入前にネットで検索すると、ネガティブなブログなどがヒットしてしまい、それを見たお客様が加入を取りやめることが多くなってきたとのことでした。

 

ネットの情報も玉石混合なので鵜呑みにしてはいけないのですが、保険会社や銀行などから提案を受けても、一度考えてから決断する事は大事ですね。

 

外貨建て保険が絶対ダメとも思いませんし、顧客の状況によっては良い場合もあります。

あくまでも金融商品は目的を達成するための手段なので、目的や様々な状況を見て判断・選択することが大切です。

 

とはいえ、私は基本的に生命保険商品で資産形成する時代ではないとお伝えしております。

 

そこで、最近は「つみたて投資」ができる保険という事で「変額保険」を提案している保険会社も増えて来ました。

 

証券会社に口座を作らなくてもいいので手間が掛からず気軽に始められることや、死亡保障もついていること、またカード払いができる会社もあり「積立投資信託」よりハードルが低いと感じる方が多いようです。

 

そこで、今回はこの「変額保険」で資産形成を検討している方や保険商品で資産形成が良いのではないか(銀行預金より良いと思っている方)向けにご加入にあたっての注意事項をお伝えしたいと思います。

 

 

変額保険の注意事項

 

その①:短期での解約では元本割れする可能性が高い

これは保険商品全般に言えますが、短期で解約すると元本割れする可能性が高いです。

ある会社の変額保険では年率6%で運用した場合でも解約して元本を上回るまでになんと12年、3%で運用した場合は27年も掛かります!※因みに6%で12年運用すると1.45倍、3%で27年なら1.57倍に増加しているはずです。

 

その②:選べる運用商品が少ない

この「変額保険」は投資信託で運用する商品なので、加入時にどの商品を選ぶかを決めます。(途中変更も可能)運用商品は保険会社によって異なりますが10本程度の商品しかありません。

証券会社で投資信託を選択する場合2,500本以上の中から選択できますし、運用商品も年々増加しています。勿論、多いから良いという訳ではありませんが、運用のリスクをコントロールする上では一定の商品数は必要と思いますし、10本程度では物足りないと感じます。

 

その③:積立金額を変更し辛い

変額保険に限らずですが、積立金額(掛金)は最初に決めたものから変更ができません。ですので途中で減額したいと思っても、一部を解約するような方法となります。また増やしたい場合は再加入手続きが必要です。その点「積立投資信託」なら増減自由です。

 

その④:死亡保障はついているが、その分掛金全額が運用に回らない

これも保険商品全般に言えますが、保険である以上、積立金額から一定額は「保険部分」に回りますので積立金額全額が「運用部分」に回りません。ですので「積立投資信託」に比べて「資産形成」と考えると効率が悪くなってしまいます。目的が「保険」なのか「資産形成」なのかを考えて加入する必要がありますね。

 

その⑤:運用のアドバイザーがいない

保険商品のため、「保険営業員」から加入することが多いと思います。その場合資産運用の知識が不足している方が多いので、長期運用でアドバイスを受けられないことも注意すべきでしょう。加入前に担当者がしっかりとした運用知識があるかを確認したいところですが、ご自身が金融知識をある程度持っていなければなかなか難しいかも知れません。※せめて資格としてCFPや証券外務員を持っているかどうかくらいしかできないかもしれませんね

 

などです。

最低この5つは十分考慮しておく必要があります。

 

因みにこの商品で毎月2万円、35年運用した場合の運用結果は

元本840万円 毎年6%の場合で1,855万円(実際の利回り約4.1%)

毎年3%では925万円(実際の利回り約0.5%)

 

にしかなりません。本来の運用結果は

毎月2万円を35年積み立て

元本840万円が毎年6%では約2,840万円

毎年3%では約1,480万円

になります。

 

言い換えれば、この差額(6%の場合で2840万円ー1855万円=985万円!)が保険会社に支払う手数料です。

 

 

どちらがあなたにとって良いでしょうか?

 

 

 

やはり、その加入目的が「保険」なのか「資産形成」なのかを考え、「資産形成」が目的なら、保険会社に支払う手数料も検討して加入の是非を決めましょう。

※もちろん保険としてみれば、「インフレ(物価上昇)リスク」に対応できる保険商品ではあります。商品の良し悪しではなく目的にとってどうかということですね。

 

今日もありがとうございました。

 

あきたで出産・子育てガイドブックに取材記事が掲載されました。

クルール秋田版(4月号)に記事が掲載されました。

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