生命保保険で運用をする前に

こんにちは。

秋田のファイナンシャルプランナー、土田茂です。

 

秋田市は雪も溶け、春の気配を感じられる天気が続いておりますね。

しかし、我が家ではボイラーが故障してしまい、お湯が出ない状況で参っております(汗)

※とはいえ温泉が近いのも秋田のいいところ!


やはり家も10年経つといろいろ壊れてしまいますね。
しっかりとそういった費用も見込まないといけないなと再確認しました。


さて、本日のコラムは「保険で資産運用をする前に」というテーマです。

先日の日経新聞にも載っておりましたが、4月から生命保険各社が値上げをしていきますね。

生命保険会社は契約者の掛金を集め、資産運用をしています。
主に「債券」で運用するのですが、その代表が「国債」です。

国債とは国にお金を貸すということになりますが、その利息が非常に下がってしまいました。
そのため、生命保険会社の資産運用も利回りが稼げず運用難になっています。

そうした事から、個人年金保険や学資保険といった「お金が貯まる」保険はあまり儲からなくなってきたので、「4月から値上げします」ということになっております。

記事では、「入るなら今ですよ」という営業を各社とも力を入れており、加入者も駆け込み的に増えているというものでした。

確かに同じ商品が来月から値上げなら今買っておこう!という気持ちになりますよね。

しかし、本当に買ってよいのでしょうか?

ここからは「生命保険で資産運用をしてはいけない理由」を述べますので、もし検討中の方がいらっしゃいましたら参考にして下さい。

理由①:保険は基本的に「長期運用」の「固定金利」商品
金利には種類があります。まず固定と変動ですね。また、「払う金利」と「貰える金利」があります。

突然ですが問題です!
今は空前の低金利時代です。今後金利が下がる余地はほとんどありません。

払う金利は固定がいいですか?それとも変動がいいですか?

正解は固定ですね!
最近の日経新聞の記事にも住宅ローンを固定に切り替えている方が増えているという記事がありましたが、低金利で固定された方が安心ですね。

では、貰える金利はどうでしょう?
空前の低金利である今、長期に渡り固定するのが良いでしょうか?それとも変動がいいでしょうか?

正解は変動ですね。
これから金利が上昇した場合に変動であれば運用金利も上がってくれますが、固定金利では仮に金利が上昇しても運用金利は上がりません。10年以上という長期運用をする上で低金利の今、固定金利で運用するのは危険かもしれません。

理由②:そもそも生命保険での運用は「インフレ」に弱い
これも先日の日経新聞にあった記事ですが、「値上げの春」という記事がありました。
そこには1月の消費者物価指数(生鮮食品除く、通称コアCPI)が0.1%上がったという記事とともに、4月から様々な生活必需品の値上げが行われるという内容が載っておりました。

原因は原油価格の上昇と書かれておりましたが、原油価格がこれからも上がり続けるかどうかよりも、私たちの生活には原油価格や為替相場、気候変動など様々な要素が絡んでいるという現実を見つめる必要があります。※一昔前原油が上がり、ガソリン価格が200円近くになったこともありましたね。

こういったことで物価が上がる(インフレが起こる)と当然お金の価値が下がります。
また、日本政府と日本銀行は毎年2%のインフレを目指し政策を取っていることも考慮する必要があると思います。

ですので、生命保険商品に限らずですが、金利を図る際に「実質金利」という考え方をすると良いかもしれません。

実質金利=名目金利(運用商品の利回り)ーインフレ率

です。
この実質金利がプラスになっていないということは、「お金を貯めているはずなのに、貯めたお金が(実質)減っている」という状況です。

仮にインフレ率が政府の目標である2%とすると、2%以上で運用しないとお金を貯めていることになりません。
因みに生命保険での運用は年齢や性別にもよりますが、30年程度の運用では1%以上で運用できる商品はほとんどありません。※この辺も機会があれば詳しく書くかもしれませんが、興味ある方は個人年金の運用比較サイトもありますので検索してみて下さい。

理由③:途中で掛金を変更できない、また中途解約をすると損をする可能性が高い
保険で運用をすると毎月(半年や年払いもありますが)決まった掛金を満期まで払い込む必要があります。
ギリギリの金額で払っていくと、子供にお金がかかる時などに払うのが困難になってしまうことも想定されます。また、人生なにがあるかわかりません。途中で解約してしまうと保険商品の場合多くは元本割れしてしまうケースが多いです。
また、今年は金利が低いから値上げしたけど、数年後に金利が高くなったとして値下げを行った場合でも、当然固定金利商品なので、今入っている保険は値段が変わりません。

簡単に言うと保険は「融通が利かない」運用方法といえるでしょう。


まだまだ実はありますが、長くなるので今日はこの辺で終わりにしますね。

おっと、デメリットばかり書いてしまったのでメリットも書けといわれそうですが、メリットって運用に関してはあまりないよな〜
強いて言えば
①保険料控除がある(とはいえ上限が低いし出口課税あるし...)
②万が一には保険が付いてる(保障は別で持った方が安いししっかりするけど...)
③特定の障害状態なら掛金負担なくお金が貯まる(これはメリットかな。でも保障を別で持てば解決しちゃうな...)
④どんどんデフレになれば実質的には増える!(デフレが続けば確かにそうだが、もしデフレが続いたら日本経済はどうなるの?デフレに賭けるギャンブル?)

うーん。やはり個人的にというかFPとしてはお勧めできませんね。保険商品はやはり貯金ではなく、あくまで保障を得るために活用するべきだと思います!
※反論やご意見あれば受け付けますので、よろしくお願い致します!


今日もありがとうございました。

あきたで出産・子育てガイドブックに取材記事が掲載されました。

クルール秋田版(4月号)に記事が掲載されました。

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